凝集剤とカッター切断排水

2021年3月16日

また久しぶりになっています。
Web担当の人です。

本日は濁水処理の為に一般的に用いられている薬品の凝集剤と
弊社の製品についてのお話をさせて頂こうと思います。

そもそも凝集剤とは何なのか、ということになりますと、
汚泥を薬が捉えて凝集し、フロック(綿状の沈殿物)化して
沈降させるものです。

その結果、凝縮された汚泥が沈降し、汚泥がほとんど残っていない
上澄み液と分離される、という仕組みになっています。

その上澄み液はそのまま放流し(※)、沈降した汚泥分を
産業廃棄物処分する、という事になります。
(※凝集剤自体の影響でそのままでは放流出来ないケースも当然ございます)

弊社の濁水ろ過装置「ミズコシタロウ」はそのような薬品を使用せず、
より自然に優しい濁水処理装置であることが大きなアピールポイントです。

薬品を使用しない事を特徴として謳ってはおりますが、
弊社と致しましては、凝集剤の使用を否定するつもりも
ございません。凝集剤を利用することが可能な使用環境であるなら
併用することも可能です。(ただし、無機系凝集剤に限ります)

また、「投げ込みフィルター」は、操作が非常に簡単で持ち運びもしやすく、
ろ過性能も良いのですが、ろ過量は少なめですので、可能であれば
凝集剤と組み合わせることをお勧めいたしております。

ここからは弊社内のテストで凝集剤をカッター切断排水に
対して使ってみた時の様子をご紹介致します。

さて、下記の濁水は弊社のミズコシタロウMTCや脱水設備を納入させて頂いている
お客様の所から頂いてきたアスファルト舗装のカッター切断排水です。

アスファルト舗装切断水
アスファルト舗装切断水

これに無機系凝集剤を10g程度入れるとどうなるでしょうか。
なお、凝集剤を投入後、30秒程度の強い攪拌が必要となります。
今回はペットボトルなので手で振りました(笑)。

凝集剤の分量が多すぎた処理水
凝集剤の分量が多すぎた処理水

汚泥はフロック化して沈降しています。しかし、凝集剤を入れすぎた為に
上澄みが白濁化してしまっています。これだとせっかくの凝集剤の意味があまりないですね。

投入する凝集剤の量を減らしながら調整し、うまく分離したのが以下の状態です。

凝集剤によって汚泥が沈降・分離した状態
凝集剤によって汚泥が沈降・分離した状態

上手に分離出来ましたー。(どこかの大人気携帯ゲーム風に)
この状態で上澄みだけを放流、沈降分を産業廃棄物処理するのが
一般的な凝集剤の使い方です。

尚、この状態から沈降分を弊社のミズコシタロウや投げ込みフィルターで脱水を行って頂けば、
更に産業廃棄物の量を減らすことも可能です。

下記はフロック化した汚泥のアップです。

凝集・沈殿した汚泥
凝集・沈殿した汚泥

このように、適切な量を入れれば処理量、処理スピード等の効果はてきめんなのですが、
適切な量を見極めるテストが必須であること、薬剤なので
投与した時点で上澄み液といえども別途処理が必要になる場合が
あること、と言った問題もございます。

メリット/デメリットはどんなものにもございますので、お客様毎の状況に応じて
判断して頂くのが一番かと思います。

その上で凝集剤の使用が不可能・または装置との併用での更なる効率化が必要な際には
是非弊社の濁水処理装置をご検討ください。濁水のサンプルを送って頂ければ
弊社のフィルターでどの程度の効果が得られるかのテストも行います。

また、今回使用している凝集剤も小分けにして販売することも可能ですので
お問い合わせ下さい。

装置に関するご相談やお見積にもできる限りご協力させて頂きますので
こちらにつきましても、是非お気軽にお問い合わせください。

それでは今回はこの辺で。

————
クリアーシステム株式会社/中村建設株式会社
Address: 〒755-0058 山口県宇部市大字中山1115番地の10
URL: http://www.nakamura-k.jp/